弁護士の選び方

Author: JackDaniel | Posted: 09/05/06 11:46
Category: columns | Edit | [B]
Prev: “ヤミ金被害はたぶん減っている件について” | Next: “早稲田大学高等学院と早稲田実業高等学校

この前,就職難と言われている修習生の就職相談を受けたので弁護士は一体今何人いるのか検索してみた。
すると,現在,東京の弁護士の数は,東京三会(東京弁護士会,第一東京弁護士会,第二東京弁護士会)あわせて,1万3024人である(なお,全国では2万6958人となっている(2009年4月1日現在)。)正直な話,これから年に3000人ペースで増えるとなると,これまで座っていても仕事が降ってきたのが,積極的に仕事を集めていかないと経営が立ちゆかないようになるに違いない。
逆に選ぶ方もどう選べばいいか,わからなくなるだろう。

確かに広告に載っている弁護士,という方法もある。
しかし,弁護士の仕事は営利を第一に考えて進めていけばいい商売と違い,ばんばん広告を打つわけにも行かない。そんなことをしたら,多額の広告費用をクライアントに転嫁せざるを得なくなるが,到底そんなことは相当とは思えない。
また,弁護士が一人あたりで処理できる件数は限られているので,どの程度客が集まるのかよく分からないまま一人事務所が広告を打つことは,結局引き受けができない事件を大量に産むだけである。
すなわち,たくさん事件を集めても通常は一定限度以上は儲からない。
※但し,事務員を大量に雇用して,本来弁護士がやらなければならないことまで任せれば別であるが,それは医者でないものが診断をするようなもので当然違法である。判断を弁護士がするようにすれば外のところは事務に任せられるのだという弁護士もいるのだが(多くの債務整理に特化した広告宣伝をしている事務所はそう考えていると思われる),判断が難しい。
また,広告は基本的に自己申告であるからして,その信用性は「不明」である。その内容の真実性については自己申告の域をでない(最低限度の弁護士倫理は守っていると思われるが,例えば「専門」表示は好ましくないことなどを無視して,60期や61期の即独弁護士がHPで表示していることが当職が確認しただけでも複数あった。60期なら一昨年の12月登録だろうが,1年の経験で専門の弁護士とはちょっと難しいのではないか。「専門 弁護士」で検索してみるとよく分かるが,登録年数がサイト内に表示されていない弁護士は微妙である。もちろん,当職も若手なので気持ちは分かるが少しは修行をしようとか思わないあたり問題ではないのか)。

そうすると,今後は弁護士会を通して,弁護士会の法律相談弁護士紹介で探せばいいのだろうか。
当職はその名簿作成などにかかわっているが,大変公平に作成しているし,各名簿に搭載されるには専門講座などの受講が義務となっていることが多く,お勧めはお勧めである。
しかしながら,弁護士会はいい意味でも悪い意味でも民主的で巨大な組織なため,柔軟性や機動性に欠ける。
また,当然会内で懲戒などを受ければこのルートは基本的に取ることは難しくなるだろう。
ちなみに法テラスなどの弁護士の選任基準は分からない(知らないうちに相談担当などに当職も推薦されたりしているようなので何かを基準にしているようだが・・・)。
いずれにせよ,弁護士としては積極的に登録するようにすべきだが,選ぶ方としては今ひとつ(広告もしょぼいし・・・),ぴんと来ないのはよく分かる。

かといって,検索サイト(日本弁護士連合会のひまわりサーチとか,オーセンスの弁護士ドットコムとか(弁護士向けの頁のトップはこちら))は,信用できるのかについて広告と同じ自己申告に過ぎないという問題がある。取り扱いを希望する分野や重点的に取り扱おうとしている(取り扱っているかは守秘義務もあり,誰もチェックできない)分野の検索に限られ,本当の専門分野は検索できないことに気をつけるべきだろう。

さらに,弁護士の紹介自体も有償で行うことは許されないとの規制があるため,基本的に弁護士紹介を有償で行っている団体は違法である。もちろん,弁護士会が関与するなどして違法性をなくしている例もあるが,先ほど出た弁護士ドットコムなどはこれで苦労しているようだ(要するに違法じゃないのかと思われて,思ったほど登録者を集められないでいるようである)。

いずれにせよ,一長一短があるとおもわれるし,どんな方法をとったとしてもはっきりとした専門の弁護士は探せないのが宿命である。
そうであれば,やはり知人の紹介の筋は一番良いだろう。
また,知り合いがいなければ,東京なら,安全性を第一に考えるなら,東京三会のやっている弁護士会の法律相談で話をしてみて決めるか,同じく弁護士会のやっている弁護士紹介センターを経由した方がよいように思うのが当職の感想である。
もちろん,大規模に広告やHPを作成しているところを否定するわけではないし,やる気のない弁護士よりいいとは思うが,そのテレビや電車の広告・コマーシャルやHPを見ているのは,それなりの多数人である。
ひとつの事務所で(特に多額の報酬を支払えるわけではない市民を相手にする事務所で)その多数人を相手にできるだけの弁護士の数を備えるのは結構大変ではないかと思う。

今後のこととしては,弁護士会の相談センターを拡充すること,研修を充実させるとともに広報をしっかりしていくことが必要なのではないかと考える次第である。

まあ,そうはいっても当職に直接依頼をしてきていただけるのが一番受ける弁護士側としてはいいのだが・・・

   

コメントフォーム




情報を記憶させますか?(Cookie)



あわせて読みたい