2003/06/25 (水)
●消費者金融のこと 消費者金融問題で有名な宇都宮弁護士の講演を選択授業で聴いた。最近大阪の方で,ヤミ金融の取立てを苦にして親族3人で心中したというひどい事件があったが,それについても言い及んでいた。たしか,利息は数千パーセントにも及んでいたとのことである。
その利息は犯罪行為であり,具体的な取立ては非人道的なものであり,当然一円も金を返す必要はないのであるが,そもそも「武富士」「アコム」などの有名な消費者金融会社が不当に高額の利息をとっていることの方も問題である。その利息の大部分を払わなくてもよい場合も多いはずだ。
それはどういうことかといえば,ヤミ金融についていえば,出資法違反の29.2パーセントの利率以上をとっている場合は,公序良俗違反(民90)の無効な融資であるとして全体を不法原因給付(民708)と考え,返還不要な金銭と考えるべきであることが知られていない。
また,出資法は一応守っていると思われる有名な消費者金融であっても,貸金業法のみなし弁済規定にそぐわない利息の返済行為をしていれば,当然無効な支払いとなり,利息制限法違反の部分は借主に戻す必要があることになる。
まあ,ほかにもいろいろとあるわけだが,根本的な疑問として,これらの情報は,まさに一般市民に必要な情報であり,生活に密着した情報(ようするに「ピッキングに気をつけよう」などと同じレベルの情報)であるはずなのだが,あまりテレビなどのマスコミで繰り返し取り上げられた風がないということである。
もしかするとスポンサーである大手消費者金融各社に遠慮しているのではないかと勘ぐってしまうのだが,ぜひとも「ヤミ金には一円も返すな,利息制限法違反の利息の返却は気をつけろ」ということは徹底してもらいたいとおもう。
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