2003/03/23 (日)
●カレー屋さんで人生談義を。 先日、彼女と友人を連れて、タージマハルという松戸のカレー屋に行ってきた。
僕はこの2年ほど月1度くらいの頻度でこのインド料理屋に通っている。ここのカレーは僕のお気に入りだ。 インドカレーを銘打っている店はたくさんあり、それぞれいろんな味を出していると思うが、ここのカレーが一番、僕の舌にあっているからだ。
しかも、もう一つ、僕がこの店を好きな理由は、ここのマスターが、話し好きであり、すごくよい雰囲気を出しているところである。
だが、彼がどんな人間だったかは、今までずっと謎であった。 いつもはだいたいカレーの話しかしないので(そういえば、ほかにもこんな話をしていたときもあったけど。)、出身がインドの北の方であるということぐらいしかわからなかったのだ。
ところが、先日訪れたときは、ちょうど材料が切れたとかで店をクローズしたところであった。客はもう、僕たちだけだった。 そこで、ついこの前までいた若いシェフが使えないとの彼の愚痴を聞いているうちに、時間があったためか、彼の人生談義を拝聴することになったのである。
彼は僕たちにコーヒーを淹れてくれて、自分はたったまま、まず、自分の人生について語り始めた。
彼はインドで生まれ、戦乱で財産を失ったりしたのちに、苦労して大学を出て、外資系の企業に入社、アメリカに3年ほどいたということである。外国につとめられるぐらいの教育を受けたのであるから、裕福な家庭に育ったのであろう。 ところが、彼は、せっかく就職したにも関わらず、自分のやりたいことはそんなことではないと考えたようだ。 そこで、会社を辞め、いろいろな仕事をしながら、さまざまな国を回っていたのだそうだ。
そんな中でも高校生の頃から心に秘めていたのが、インド料理屋をやろうという夢。無関係の仕事をしながらも、その夢はずっと思い続けていたようである。
そのうち、日本に来て、インド料理屋を始めるチャンスをつかんだらしい。いくつかの店で修行をして、今の店を始めるまでの経過は不明だ。だが、今の場所で店を持ってからは、もう10年以上にもなるようである。キャリアはかなりあるのだろう。現在40歳ぐらいであるという事だった(思ったより若かった)。
その彼が、人生から得た教訓は、 「人生、夢を思い続けることが大事。」 ということだそうだ。
え?そんなのあたりまえじゃん。 とか、思ってはいけない。
彼は、 「自分が生きていくためにほかの仕事をしなくてはならなくて、その夢のために何もできなかったとしても、そのときこそ、夢について思い続けるのが大事だ。 そのとき、夢を考えることをあきらめてしまっては、その実現の可能性は全くなくなってしまう。 ところが、そういう逆境にあるときに、何も努力できなくても、思い続けることができる夢は、必ず、いつかかなうのだ。」 と、いう趣旨のことを言ったのである。
これは、ここで僕が書いてもあまり説得力はないかもしれない。 しかし、カレーについて熱く真剣に語るインド人のマスターが、白衣と帽子をかぶって夢の重要さについても魂を込めて語るとき、非常な説得力を持って、僕の胸に響いたのである。
確かに自分の境遇を考えて、「努力できないから無理だ」とあきらめるのは合理的である。実現どころか、全く努力できないような夢について考えてもむなしいだけだ。 しかし、人が自分の未来を見通せるわけでもない。また、一度捨ててしまった夢を簡単にまた拾えるものでもない。 だから、「(心の中だけでも)夢を追い続けること」が大事であるというのは、実は、すごく重要なことなのかもしれない。
もっといえば、ちょっとオカルトチックにはなるけど、心の中で思っていることが、現実の夢を呼び寄せるようなこともあるのかもしれない。
そう、思った。
●死神博士がお亡くなりに。 実は天本さん、実際に見かけたことが何度かあるんですよね・・・ 代々木上原のミスタードーナツとか。 どうやら近くにお住まいだったようでして。
なんというか、自分も年をとったなぁと。
ご冥福をお祈りします。
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